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Feb 15, 2004

ギタリスト大村憲司・その1

My favoriteを語る上で、まずはじめに挙げなければならないのがギタリスト・大村憲司。私が手放しで「好き」といえるMost Favorite Musicianである。
音楽ファンの間では、YMOのサポートギタリストとして、また日本のフュージョン界草分けのギタリストとして活躍したことで良く知られている。
が、実は私はその頃の彼を知らない。

私が彼に出会ったのは、晩年、1992~93年頃だったと思う。
村上’ポンタ’秀一との「憲PONバンド」(以前は「憲PONsession」と称していた)や、近藤房之助や永井’ホトケ’隆などが中心になっていた「リバー・ブレイク・バンド」(=酒の呑み過ぎで肝臓がイカレているもんの集まり、ってことか)というブルース・セッションバンドに足繁く通っていた覚えがある。斉藤ノブ率いるNOBU CAINEに参加する前だったのは間違いない。
ピアノやドラムス演奏には覚えのある私だが、ロックが好みでもなく、それまでギターサウンドを傾聴する機会はほとんど無かった。が、彼のサウンドは、明らかに他とは違うのである。そりゃ楽器やエフェクト如何で音は変わるが、それを全て包含しても、「大村憲司の音」は聴いて判るのである。何を弾いていても、甘く優しい泣ける音、とでもいうのだろうか。すっかり、惚れてしまった。
音楽に対してのこだわりから、気難しいと感じることもあったが、打ち上げ等で交わす話しぶりは至って温厚で、随分と話相手になってもらった。神戸出身の彼が東京弁で、東京出身の私が関西弁、という奇妙なシチュエーションであったが。

最後に彼の姿を見たのは、1998年5月の憲PONバンド@神戸チキンジョージ
何の因果かこのシリーズだけは、古くからの盟友と一緒に演りたかったと、以前から言っていた高水健司と佐藤博とのセッションだった。聞いた噂では、今まで同バンドのサポートだった青木智仁・小林信吾と喧嘩別れをして急遽変更になったらしく、チケットには青木・小林の名が刻まれている。
見なれた憲PONバンドだが、たまにはこんな豪華なメンバーもいいものだ、と堪能した。
しかし同年11月3日にチキンジョージであった徳武弘文とのセッションは、馴染みのなかった徳武の名であまり興味が湧かず、行かなかった、、、のが最後の後悔か。

1998年11月18日04:17am、しし座流星群の夜に、星になった。

「リバー・ブレイク」の頃、確かに酒呑みばかりだったが、あのセッションに参加していたミュージシャンのうち、知る限り本当に肝臓を悪くしていたのは大村憲司だけだった。よって、あの頃から彼との数年の付き合いの中で、酒を呑んでいる場面にはほとんど出会っていない。
だからといって、本当に肝臓疾患が原因でたった49年で生涯を終えるとは夢にも思っていなかった。
18日朝のうちに人づてに聞いたが、5年以上経った今でも信じられないでいる。

手元にある写真、ライブ音源、サイン、LP、、、かけがえのない宝物である。
大村憲司は、私にとっての永遠のアイドルだ。


kenji1

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Comments

大変遅ればせながら、訪問・カキコしてくださった皆さま、ありがとうございますm(..)m。
愛想のない管理人で、申し訳ないっす。
それにしても、憲司さん人気、すごいですね。
・・・て、ブログでは色々な素材を取り上げていますが、こうして見ず知らずの方が足跡を残してくださっているのは、憲司さんのところだけです。

ちなみに、最近は滅多に憲司さんのCDは聴いていません。
聴いてしまうと、ホント、わけもなく涙がとまらなくなりますからね・・・
それでも、私にとっては最大の「アイドル」ですから、もちろんずっと心の中で生きていますよ。

Posted by: つんちゃん♪ | Oct 04, 2005 00:52

ここに投稿なさっている方々同様に私も憲司さんのギターが大好きです。但し、スタジオの演奏はどれもそんなに好きではありませんがライヴの演奏は本当に「オーラ」が出てます。そしてとにかく「音が太い!」技術的な要素ではなく体から発せられるものと私は思います。日本にもこんなにすばらしいギタリストがいたことを誇りに思います。 「Knockin' On Heaven's Door」 が大好きだからって逝くことはないでしょ!

Posted by: 山本 | Sep 02, 2005 22:29

今月の18日は憲司さん7回忌ですね。昨年の同日に引き続き今年はCAMINOのライブが出ます。私はロック・ブルースギタリストとしての憲司さんが大好きですので、ぜひともこの視点からの評価が高まってほしいと思います。17日にはフリーペーパー「神戸からのメッセージ」でカウンツジャズロックバンドが特集されると言うことですし、神戸を起点に関西でも憲司さんで盛り上がってほしいものです。

Posted by: 大村悠二郎 | Nov 05, 2004 14:34

遅れ馳せながら、大村悠ニ郎さん、貴重な書きこみをありがとうございました。

以下、覚書までに。

先日(6/5かな?)、房さんとPONTAさんと伊太地山伝兵衛さんが倉敷だか岡山でライブがあったそうで、友人がちょっとだけレポートしてくれました。
中で、1曲PONTAさんが歌ったり(え~、あたしゃそんなの見たことない象!ちなみに房さんがドラムを叩いたそうな(@_@!)、ベロンベロンに酔っ払いながら(あ、それはよく知ってまつ(^^))「ケンジ、死んじまいやがって・・・バカヤロー」とか言い乍らドラムを叩いていたとか。
う~ん(-_-)。

Posted by: つんちゃん♪ | Jun 08, 2004 13:10

私も大村憲司さんが大好きでした。初めてであったのは1979年の8-8ロックデイのゲスト出演時、くんちょうセットでの演奏が今でも目に浮かびます。ケンジショック以降に関しては、その後黒人音楽にのめり込んだ私は、チキンでのライブなどには足繁く通いましたが、レコードなどでの憲司さんを知らずにすごしてきました。YMOの呪縛の解けた80年代後半からのもの、特に下田逸郎、近藤房の介、柳ジョージ、沢田研二らとのセッションなど、後年はどれも素晴らしいと思います。しし座流星群とともに逝ってしまってから、いろいろと残された画像や音源を手に入れては、本当にもう一度見たいなあ、とため息ばかりです。本当に憲司さんの音は心にすーっと入ってくる、なんとも言えず気持ちの良い音ですね。最近の憲司さんの再評価がYMOがらみでなく、ブルース・ロックサイドから盛り上がって欲しいと考えています。矢野さんや大貫さんのバックでのリリカルなものも大好きなんですけどね。

Posted by: 大村悠二郎 | May 11, 2004 13:07

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